日経ホームビルダー2月号に興味深い記事が載っている。
「出隅にある筋交いは土台や柱をはかいしやすいか」と言う記事だ、この事は予ねてより危惧していたことである。
下の写真は中越地震で筋交いに押し出され土台や柱が破損した状態である。
現行の基準法通りに造っても、仕口の工夫や筋交い金物選定を考えなければ
同じ様な現象は起こってしまう。
今まで、壁倍率を求める為に行われた試験方法は土台に余長のある試験体で行われており、出隅の試験体では行われていない、今回それを検証する為、出隅の試験体を造り、試験が行われたよである。
試験の結果は加圧されると筋交いに柱が押し出され、見事に土台が破損している。
土台に余長が無い為アリの端が飛んでしまっている。(試験体の為アリは欠き取らず鋸目を切り込んだだけの状態)
下の図はプレカットなどで持ち入られる一般的な土台出隅の仕口、蟻穴で柱ホソ穴が寸断されている。これでは土台端の余長が無い為、筋交いに押し出され壊れる危険、大である。
我社では土台は蟻男木を下木にする伏せ蟻工法、これにより女木、蟻が下につき、柱ホソ穴が寸断される事無く土台が繋がるので、壊れ難くなります。
それと外断熱工法ですので断熱材厚分50oほど余長が長く取れ安全です。
それと筋交い金物ですが、最近は施工が楽だという事で柱と筋交いだけに止める柱付金物がつかわれていますが、出隅の場合は滑り止め効果もある、柱、土台に止めるボックス型金物を使いべきです。下が我社で使用しているボックス型
筋交い金物。
以上の事は土台に限らず、梁や桁組にも言えることです。最近流行の屋根の出を出さないデザイン重視の箱の様な家や、通し柱は大地震時に折れるから通し柱は使わないという家では危ない仕口を見かけます。何れもその裏にはコストダウンが隠されています。
組み込んでしまうと判らなくなってしまう仕口ですが、家の強度を大きく左右する
大事なところです。
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