何故、目に見えない処にコストを掛けて拘るのか。
家は住む器、住み心地が良くて、長持ちして安全な家でなければならない。
安全=強固、大地震に遭っても大丈夫な家にしたい。
基準法通りに造れば大丈夫と言う方も多いが、私ははそうは思わない。
住宅性能表示制度の耐震等級の説明で下記のように説明してある。
*耐震等級のめやす。
○等級1=数百年に一度発生する地震(震度6強から震度7程度)の地震に対して倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震(震度5強程度)に対して損傷しない程度(建築基準法同等)
○等級2=上記の地震力の1.25倍の地震力に対抗できる。
○等級3=上記の地震力の1.5倍の地震力に対抗できる。
とある、此れを裏から読むと震度6強から震度7の地震に対して、倒壊、崩壊せず
は、震度6強から震度7の地震に対しては、建物が倒れ落ちず、崩れ落ちない程度の強さと言う事になります。
つまり倒壊、崩壊はしないので建物の下敷きになって命を落とす事は無いが、建物は大きなダメージを受け莫大な修繕費用が掛かるかも知れない、と言う基準です。
実際に「基準法ギリギリの建物は倒壊した」という実験結果も有ります。
国交省の外郭団体である(財)建材試験センターが中心となってH.、18、8月に実験したデーターです。
耐震等級1、等級2、等級3の実物大の建物を三棟建てて、阪神大震災と同じ地震動を加えて実物実験をしています。
結果は、等級1(基準法クリアー)の建物は倒壊はしなかったものの、大きな損傷を受けて傾き大丈夫と言えない実験結果が出ています。
(但し此の試験体のデーターを見ると準耐力壁も壁量に加えて計算して有ったり
耐力壁のバランスも少し偏ってるのも一因と思われるので100%受け取れないところでもある)
等級2(基準法の1.25倍の耐震性)の建物は壁板が浮いたり、柱の柱のカスガイが抜けかかったりしたが倒壊はせず。
等級3(基準法の1.5倍の耐震性)の建物は一時変形したものの構造部分はほぼ無傷だった。と報告されています。
我社で設計する家は等級3(基準法の1.5倍の耐震性)で設計しています。
(但しプランに因っては1.5倍取るとバランス(偏芯率)が悪くなる場合は偏芯率を優先させ耐震性は1.5倍に近い数値にする場合も有ります、強度よりバランスが大事と考えています)
が、更に安全を掛けて、耐震+制震を思い立ちました、大地震が来ても揺れを抑えて建物になるべくダメージを与えないようにとの想いからです。
ダメージが少ないという事は断熱、気密も守られ住み心地も守られるという事になります。
こんな事を言うと世の奥様方から非難されそうであるが、システムキッチンやユニットバス等の設備機器のグレードは下げてでも、制震装置は設置して貰いたいと思うところである。 |