作業場では上棟に向けて、手刻みによる木材加工が行われてる
ところです。
写真は8mの通し小屋梁丸太の墨付けの様子です。墨付け作業は
必ず二人一組で行います、考え違い等の間違いを防ぐ為です。
今時プレカットの時代に、何と効率の悪い時代遅れの仕事と、思わ
れるかも知れませんが、長年の大工経験がこうさせています。
ここでは長々と書きませんが、木材は一本、一本強度も違うし、癖も
あります、それを見極めて仕口や継ぎ手を考え、墨付け、刻んで行き
ます。
「え!あの継ぎ手で筋交い入れて大丈夫?」と言うよなプレカット仕事
をよく見かけますが、有事(大地震)の時が心配です。
又、最近ではプレカットより手間の掛からない「金物工法」なる物も出て
来ました。
木材をストン切り、仕口を作らないで、全て金物で組み込む工法です。
木を鉄骨に置き換えた考え方で、断面欠損少ないし、いかにも合理的
に見えますが、所詮木と金物は相性がよくありません、金物で補強は
仕方無いとしても、薄ぺらの金物に全耐力を委ねる事は疑問です。
50年先はどうなってるか保障はありません(10年は保障されますが)
合理化ばかりが叫ばれ、日本古来の木造建築の良さが失われつつ
あります。
技を継承すべき大工も、単なる組立工に成り下がって仕舞い、後10年
もすると、まともな大工は激減して、家守りが出来なくなって仕舞いそう
です。
そう意味も含めて、手間の掛かる手刻み加工に拘ってるところです。
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