秋の花粉症もようやく落ち着き体調も良くなりつつあるところである。
昨日の朝、出勤準備をしていると携帯が鳴った。
OB施主様からである。
「伊東さんすまんけど、知人の家をちょっと見て相談に乗ってもらえないだろうか」
と言う事だった。
お話によると、その知人の方は二年前にその家を中古住宅として買われたそうである。
購入された時はリフオームもして有り綺麗だったので買われたが、住んでみたら
結露と湿気で困っておられるとのこと。
去年は訪問業者が来て床下に換気扇を付けたら直ると言う事で取付けたが結果はあまり効果無し。
今年は別の業者が来て「床下に木炭を敷くと、湿気が無くなりカラカラに成ります」と奨められその気に成っておられるみたい。
以前、伊東さんから床下に木炭を敷いてもあまり効果無いという話を聞いていたので、今回また無駄金を使われるのは見ていられないのでと言う事である。
こういう人の商売の邪魔をするのは、あまり気乗りしないが、OB施主様のお話をむげに断る事も出来ないので早速そのお宅に一緒にお邪魔した。
玄関を開けると少しカビの臭いがした。
一昨日から天気が良いので、畳と床板をはぐり、床下を乾かし木炭を敷く準備をされていた。
床下を覗くと、土は湿った状態だった、夏時期廻りの田んぼに水をはられると、もっと酷く成るそうだ、床下地盤が外の地盤より10cm位低い感じがした、これも一因だ。
押入れを開けると、水取り象さんがいくつも置いて有った。
押入れ床ベニヤを下から覗くと結露に因り黒くカビていた。
この建物は築13年、地元大手ビルダーによる注文住宅だが、目に見える処はそこそこだが、目に見えない肝心の処はいたってシンプルな仕事だ、住む人の事は
考えてない家だ。
お気の毒だが本格的に直すには可也の費用が掛かりそうである。
不親切の様だが、ここで詳しく説明しても、木炭を貶してリフオームの仕事をしようと商売気を出してるとしか思われないような雰囲気だったので、木炭を敷いても
あまり効果ありませんとは言えなかった、「調湿効果は有りますが、こういう天気の良い日に時々床下から引っ張り出して乾かして下さいね」と「冬場は押入れの襖を両方4〜5センチ開けておかれると水取り象さんは要らなくなりますよ」というお話し位しか出来なかった。
木炭の営業の人のセールストークが余程上手なのか、木炭を信じきっておられる
私のヒントに考え直して戴けるかは分からないところである。
信頼をして戴けなければ良い仕事は出来ない(相性)
私の持論
木炭の調湿効果は条件付で効果有りである。
外気と遮断され、計画換気出来る気密の取れた部屋又は床下のみと考えている
日頃気密に拘ってるのは、換気のことだけでなく、湿度コントロールにも影響有るからである。
普通の床下に木炭を敷いても、換気口や床下地中から幾らでもとどめなく入って来る、外に木炭を並べてるのと変わりない。
木炭は湿気は吸っても分解はしてくれない、湿気をいっぱい吸い込んだ木炭は
カビが生えたり、白蟻の巣になる可能性も有り得る。
どちらを信じるかは自由である・・・・・
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