先日(11/13)の雑記帳に(たとえ長期優良住宅の認定を
受けても)と書き込みましたが、これについて、お客様より
「どういう意味」かとお問い合わせを戴きました。
少し言葉足らずで、誤解を与える書き方だったかもしれま
せんが、長期優良住宅が全てダメと言う事ではありません。
いくら長期優良住宅の基準を満たしていても必ずしも安全
ではないと言う事です。
このお手本のような公開実験が先日、先日(10/27)国交省
のてこ入れで行われました。
一部の新聞でしか報道されていませんが「長期優良住宅で
も倒壊」と報じています(10/28日経朝刊)
実験は長期優良住宅の基準を満たした木造三階建ての建物
とそれを比較する為に、同じ構造だが接合部を弱くした基準に
満たない建物を並べ震度6強の揺れを加え行われました。
結果は長期優良住宅の方が完全倒壊してしまいました。
(日経ホームビルダーより)
写真は手前が構造的には破壊したが倒壊はしなかった基準に
満たない建物、向こう側が完全倒壊した長期優良住宅。
主催者側は、「長期優良住宅にすると安全ですよ」と宣伝したか
った様ですが、もくろみに反した結果と成っています。
木の特性を無視して、金物や合板でガチガチに固めて強くする
鉄骨やRCの構造と同じ考え方をするのは無理があるという事
です。
確かに金物や合板でガチガチに固めると強いですが、限界を超
えると、逆に非常に脆くなります、実験はこれを物語っています。
実験建物は耐力壁バランスも悪かったと思われます。
外周部の弱さをカバーする為に中央部を極端に強くした無理な
構造計画。
計算上はクリアしてたかもしれませんが、基準を満たしていれば
どんな設計や施工でも良いと言う事ではありません。
先ず構造的に安定方向に持って行く計画が先で、その後に長期
優良住宅の基準があるという事です。
耐久性や強度に重要な木材やコンクリートの品質や構造材の仕口
や継ぎ手の仕様等が長期優良住宅の基準に無いのもおかし事です。
今回の実験について主催者側は、「倒壊しなかった建物も接合部が
外れているので倒壊と見なす」と言ってるようですが、ペシャンコに
なった長期優良住宅の下敷きになって死ぬより、建物は壊れても命
が助かる方がましだと思うんですが・・・・・・・
下手な弁解はやめて、震災時に本当に国民の命を守れる基準を作り
べきです。
机上の空論ばかりでなく、もっと現場の考えも取り上げるべきと思います。
もっと木の勉強をして頂きたいものです。
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