先月の22日に上棟をしたソーラーサーキットの家、今日は
行政の中間検査を受けた。
中間検査の内容は、建物の配置が図面通りの寸法に納まって
いるかのチェックと筋交い及び金物が図面通りに取付けて有るか
のチェックが主な検査である。
検査員は二人一組で一人が図面を見ながら読み上げ、もう一人が
各柱の上下金物、筋交いをチェックして行く。
今日の検査員は要領が良く早く終わった、勿論、指摘事項なし合格である。
行政の中間検査は必要最低限の検査である、中間検査ではチェック
されないが、現場ではチェックしなければならない事が他にも色々ある。
特に建物の強度を大きく左右する筋交いについては重要だと考えている。
柱や梁には拘るが、地震や風から家を守る、筋交いや間柱にはわりと
無関心な設計者や業者が多い、基準法通りの寸法の筋交いを規定量
入れてあれば大丈夫という考え方である(合法ではあるが)
ところが基準法の仕様規定で入れた筋交いでも安全とは言えない処がある。
よく使う壁量2倍の90×45の筋交いを例にあげると、仕様規定では筋交いは
対で入れる事を前提として、圧縮側2.5倍、引張り側1.5倍、平均を取って
2倍という考え方である。
従って2倍筋交い座屈は2.5倍で計算しなければならない。
実験値に近い数値が出ると言われる、オイラーの座屈式で計算すると
仕様規定の90×45では完全に座屈折れしてしまう。
(阪神大震災の現場でも沢山視て来た)
我社で使う120×45でもきつい位だ、要は丈夫な間柱に堅固に固定して
座屈折れしない様に取付けろと言う事だが、こう言う事は何処にも書いて
ないし、あまり気にしてない人が多い。間柱や筋交いは寸法さえ合っていれば
良いという物ではない。
筋交いや間柱はどちらかと言うと、好い加減な材を使用してる現場を
よく見かける、主要構造部という認識が無いかもしれない。
大きな節の有る材や樹齢の若い目粗な材は避けなければならない。
筋交い、間柱の材質と取り付けのチェックは重要である。
本来ならば耐震強度上重要な筋交いにはヤング係数表示の材使用を
法化すべきである、そうでなければ、いくら書類上の計算で良くても
絵に描いた餅に成ってしまう。(長期優良住宅でも材種の指定は有る物の
この大事な事は抜けている、何を持って長期優良住宅というのか解せない)
我社で使う筋交いは仕様規定の1.33倍120×45で壁量は仕様規定の
1.5倍が標準仕様である。
手前の斜めの金物は地震の揺れを吸収する制震ダンパーです。
層間の変形量が少なくなり、通し柱の腰折れも防ぐ効果もあります。
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